近年、情報科学分野の学際化が進んでいます。しかし理系分野出身の研究者にとって文系的視点を取り入れることや、文系分野出身の研究者にとって理系出身者と同様の技術を使いこなすことは容易なことではありません。
そこで、本プログラムでは、学部の初期段階より双方の考え方や講義内容に触れる機会を増やすことによって、理系分野出身の研究者が文系分野の研究を行う、理系分野の研究者が文系分野の研究者と共同研究を行う、文系分野出身の研究者が理系分野の研究を行う、といった融合が実現しやすい環境づくりを行います。
特に本学の英語教育には古くから定評があり、それを理系研究者、とりわけ若手研究者に提供することで、国際的に活躍できる研究者の育成を目指します。その第一段階として、理文融合分野の知識やスキルを習得するためのセミナー・講義科目・ワークショップ等を、英語力増強を図りながら開講していきます。
すでに本学では、学部3年次を対象とした理系学科と文系学科の両方から進学できるメディア・スタディーズコースを2006年に開設しています。
このコースの学生にとっては、主として情報科学科が提供している講義科目が受講可能ではありますが、全学の学生が聴講できる情報通信技術・サービス分野の講義科目の充実を図ります。
これによって大学院進学時に、情報科学分野の学際領域であるメディア、知的財産、社会情報学、経営情報学、ICTマネジメントなどの分野において研究者や専門家へのキャリアを選択できる環境を整えます。
また、情報通信技術・サービスの先端的なユーザを増やすことによって、理系・文系を問わず、研究開発者とユーザの両方の視点をもった人材を育てることは、情報科学分野の研究者育成のみならず実践的な教育研究環境の構築につながると私たちは考えています。