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センターの活動に関わってくださった方々に、質問形式でメッセージをお寄せ頂きました。
ご所属はメッセージ掲載時点のものです。
- 質問1:津田塾大学女性研究者支援センターに対して期待していることは何ですか?
- 質問2:学生時代にやってよかったことは何ですか?
- 質問3:若い世代にメッセージをお願いします。
No.1 小舘香椎子氏(日本女子大学 名誉教授)
- 質問1
- 平成18年度に開始された女性研究者支援のプログラムとして、初めて理文融合を謳い、特にICT分野での女性の活躍を積極的に推進しているところに大いなる期待を持っています。
センターの活動を通じて、創立時から津田塾大学の特徴である外国語教育に情報科学を組み合わせ、グローバルな視点と世界に通用する能力を併せ持った力強い女性研究者・リーダーが育成されることを望んでいます。
具体的には、大学院進学者数や留学生数の増加などに表れるこれまでの成果は、女子大学の存在意義を示し、今後も高めていくことでしょう。新カリキュラムの構築などにも期待しています。 - 質問2
- 学部時代に物理を専攻し、基礎科学をしっかり学習したことに加えて、学園祭の自由研究として、マイクロ波導波管通信システムのための理論学習と電子部品の買い出し、組み立てを半年間かけて熱心に行いました。振り返れば、この実験の成功が物づくりの楽しさを満喫する経験となり、研究を生涯の仕事にするきっかけとなったようです。
また、サークル活動を通じた他大学の学生達との読書会、友人達との国内旅行などによって、学生時代は、生涯の友人を得るとともに、自己や自分の将来を見つめ、自分の意見を構築するという貴重な研鑽の時間でした。 - 質問3
- 専門分野を中心に、学生時代に自分が興味を持てることを見つけ、楽しみながら、でも、安住するのではなく、自己研鑽し続けるよう心掛けてください。継続は真です。恐れることなく、自分の信ずる道を進んで行って下さい。
そして、障害に出会っても、決してあきらめないこと。ようやく社会にも理系女性の活躍をサポートしようという環境が生まれつつあります。この現在の環境を大いに活かして、将来につながるような女性同士のネットワーク創りにも努めて下さい。
No.2 秋田カオリ氏(東京農工大学 女性未来育成機構 特任准教授[コーディネータ])
- 質問1
- 様々な社会的要因もあり、若い世代が将来に不安を感じることも多い状況です。女性研究者はまだ数も少ないのが現状です。ぜひ貴学で「世代を超えて女性研究者を勇気づける」ことを実践して頂ければと思います。
- 質問2
- 「よく学び、よく遊ぶ」です。若い間にいろんなコトにチャレンジできたのは良かったと思います。
- 質問3
- 津田塾の皆さんが、「多くのことを学びたい!」と非常に前向きな姿勢であることを、先だっての授業で実感いたしました。どうか、その姿勢をいつまでも忘れずにキープして頂きたいと思います。
No.3 和泉順子氏(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科情報システム学専攻 インターネット・アーキテクチャ講座 助教)
- 質問1
- 情報科学分野は学際領域にあり、IT関連技術の研究開発だけでなく社会科学分野等とも深く関わっています。情報工学だけでなく他分野の知識と多角的な視点をもつ研究者も多く活躍しているため、理系・文系に関係なく多くの在学生に情報科学分野に興味をもってもらえる「場」を、今後も創出していただきたいと思います。
その「場」を通じて卒業生と在学生がつながり、今後、津田塾大学から多くの女性研究者が誕生することを期待しています。 - 質問2
- 一人暮らし、アルバイト、部活動等を通じて、自分の生活を組み立てる煩雑さと楽しさ、お金を稼ぐことの大変さ、人の多様性、友人や家族のありがたみを学びました。楽しいことばかりではなかったのですが、経験して良かったと思います。大学の講義には比較的真面目に出席していましたが、知識・情報として漠然と勉強していた気がします。
社会に出て、大学で学んだ知識を実際に使うことになった時に実感できることだと思いますが、もっと身を入れて(外国語は特に)頑張って勉強しておけばよかった、と思うことは多々あります。 - 質問3
- 大学で基礎学力と教養を身につけ、いろんなことを体験してください。社会で実際に生じる問題の多くは、正解が一意に決まっていないようです。自分の頭で考えて努力・工夫するしかないのですが、本や検索で得られる知識と、自分の経験は同じとは限りません。
初めからなんでもできる人はいませんから、「やったことがないから」と何もせずに年を重ねていく前に、挑戦してみてください。それによって、自分は何が得意なのか、何が苦手なのか、ということが少しずつ見えてくるかもしれませんし、そこで情報科学分野が面白い、役に立つ!と思ってもらえると、嬉しいです。
No.4 寺﨑明氏(総務審議官)
- 質問1
- 今、全体的に若手の人は、上司からの指示待ち人間が多くなっているように感じます。課題を自分で見つけ、それを自分で分析し、大筋の解決の方向性を考え、上司にそれを理解させ、上司とともに解決策を実行に移すテハズを整え、その後、迅速に実行できる人材を育ててください。
- 質問2
- 基礎知識としての最低限の勉学はやっておくことが必要だと思います。私は理工系の出身ですが、有名な基礎物理学の本は、一応最後まで完全に読んだことと、暇な時に、経済学の本を一冊自分なりに理解しつつ読破しておいたことですね。
また、南アルプス等の3千メータ級の雄大な姿の山々を友人と歩き回ったこともよい思い出です。徹夜麻雀などもよくしました。(勝負カンの熟成に役だったかも!)いろいろなことをやって下さい。 - 質問3
- 自分(の世代)のことは、自分(の世代)で考えて下さい。自分のことを鏡で見られるようになって下さい。