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メッセージ

センターの活動に関わってくださった方々に、質問形式でメッセージをお寄せ頂きました。
ご所属はメッセージ掲載時点のものです。

  • 質問1:津田塾大学女性研究者支援センターに対して期待していることは何ですか?
  • 質問2:学生時代にやってよかったことは何ですか?
  • 質問3:若い世代にメッセージをお願いします。

No.5 山田敬嗣氏 (NEC C&C イノベーション所長)

山田敬嗣氏

質問1
研究者に留まらず、女性の方々に社会でのより広い貢献を熱望しております。社会の中にある女性が活躍することを阻むバリアを取り除く努力を全員で進めることが最も重要だと思います。30年から50年にわたる、つまり1世代から2世代先まで見越して日本という国を見たときに、女性や高齢者の活躍なしには良い社会は成り立ちません。女性研究者の支援のみならず、長期的視野、広範な分野、グローバルな視野で周辺の人々活動(バリアを乗越える活動)の支援もお願いします。
質問2
学生時代の専門は情報工学、特に情報理論やマルチメディア処理でありましたが、幸運なことに非常に多様な分野の先生と議論することができました。分子生物学、経済学、数学、建築、心理学などなど。心理学実験の手伝いや、経済学の大先生の講演会に出席もしました。社会に出ると合目的、効率的な活動が求められることが多いのですが、一方、多面的に物事を判断して、行動することも必須です。学生時代に、一見専門とは全く異なり無駄に思える勉強を沢山したことが、沢山の人々と接して社会で活動する上で役立っていると考えています。
質問3
未来に興味を持ってください。今の若い世代が、30年後のメインプレーヤであることは間違いなく、その時の活躍の場や領域を考えていくことが大切であると思います。益々、グローバル化が進む中で、時間に押し流されていると、結局は未来を押し付けられることになるのではないでしょうか。濁りのないクリアな目で未来を見て、積極的に考え、相談し、議論し、未来を作り出していくことを大切にしていただきたいと思います。そこから「皆が元気で活気を持って暮らす未来」が生み出されるものと信じています。

No.6 岡谷重雄氏 (文部科学省 科学技術・学術政策 科学技術・学術戦略官(推進調整担当))

岡谷重雄氏

質問1
まずは学内で理系研究者を増やすための戦略を練ることを期待します。特に津田塾大学に設置できる大学院や拡大できる研究分野を戦略的にみつけてそこに女性研究者が雇われるようになれば女子大による理系分野の研究促進、研究者の育成になると思います。
質問2
学生時代ではないですが、スタンフォード大に留学して沢山の人脈を作ったことです。学業だけではなく(もっともそれを疎かにしたわけではありませんが)クラブ活動(アジアにビジネス展開を希望する人たちの集まりであるアジア・フォーラムの会長、公共政策プログラム国際委員長)や色々な学内活動に専念しました。そのときの経験と友人のネットワークが私の財産です。
質問3
留まらないこと。皆さんは日本を変えていくエージェントです。異なった分野、大学、企業にでていく。また、最もしてほしいのは海外に出ること!(旅行じゃないですよ!)そこで受ける刺激と試練、経験が必ずあなた方を変えることでしょう。幼い津田梅子先生が船の上で身体を乗り出している絵を拝見し、この精神こそが津田塾の学生に今必要なんではないかと思いました。21世紀の津田梅子さんたち! be ambitious!

No.7 齋藤加代子氏 (東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター所長・教授 女性医学研究者支援室副室長)

齊藤加代子氏

質問1
私の勤務先であり母校である東京女子医科大学と同じく、1世紀以上も前に女性の教育と社会への貢献をお考えになり実行された卓越した創始者のおられる津田塾大学が、多くの優秀な卒業生を輩出し、そして現在、女性研究者支援を推進なさること、心からのエールをお送りいたします。貴学の女性研究者支援センターが日本における様々な分野のリーダーとロールモデルの育成支援に大きな成果を挙げられますことを期待いたします。
質問2
クラブ活動は室内楽団でした。フルートを担当し、女子医大生としての医学の傍ら、公演に向けての練習や合宿の日々でした。室内楽からオーケストラに成長し、曲の演奏を通して音を合わせること、自分の音色で主張しつつ相手の音色も良く聞くことを学んだように思われます。医学部の4年生は臨床医学に入り、多くの疾患について学ぶ大切な時期ですが、クラブ活動では責任ある立場となり、マネージメントを行い、秋には日本青年館で「アルルの女」のソロを吹き、ハープとの共演ができて満足感と達成感を味わいました。
質問3
何事にも一生懸命、燃えてください。目標を掲げて、到達への道を歩んでください。夢を叶えるように努力をしてください。そして、周りの人への愛情と思いやりと感謝をもって心の成長をしてください。

No.8 塩満典子氏 (お茶の水女子大学 教授)

塩満典子氏

質問1
日本では、女性が意思決定に参画する割合は先進諸国の間では低く、政治・経済・社会面での男女共同参画は十分進んでいません。特に、科学技術分野では、女性の参画は遅れています。貴センターに、日本の最先端モデルとしての環境整備、子育て期の支援、女性研究者と学生の交流の場づくり、メンター制度による女性研究者の研究費獲得・研究室運営の能力向上、学生のキャリアパス支援を期待しております。女性も科学技術分野で、リーダーとしてもフォロアーとしても、一人でもチームでも大活躍できるという意識醸成のための「ロールモデル」を多く世の中にご紹介いただきたいと願っています。
質問2
教養課程での「学び」です。専門分野に近い自然科学から、遠い哲学・法学・心理学にいたるまで幅広い教養を身につけることができたおかげで、当時の女性の就職難の時代、職業選択の幅を専門に絞ることなく広く考えることができました。人事院制度で米国大学院に留学したときは、先端的な研究現場のみならず、いろいろな場所に旅行したこと、多くの米国人と会話し、その価値観、考え方、日本との違いを知ることができたこと、新しい文化・環境にチャレンジしたことです。
質問3
世の中には解決を待つ多くの課題があり、新しい社会的価値の創造(イノベーション)が求められています。「科学」は真理の探究を通じて人類の知的財産を構築するとともに、その客観性・普遍性・洞察性で、共通課題の解決策も提示してきました。また、科学の成果を利用した「技術」によって、私たちの暮らしは、豊かになりました。もちろん科学技術には、正負の両面があることを忘れてはなりません。科学技術の知識を有しているといないとでは、日常的にも判断の的確さにおいて差が生じる可能性があります。女性もいきいきと科学技術活動に参加し、知的に楽しい、安全・安心な社会をつくっていきましょう。

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